なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「おいしい」について考える

「おいしい」という感覚は極めて社会的・文化的な側面を持つものである一方、至って個人的なものでもあります。 だから、あの時感じた「おいしい」は、よく考えると「おいしくはなかった」などということはあり得ない、というのは哲カフェ中、参加者のひとり…

分離・分割と命名 そうではない動き

「分離・分割と命名」。これは科学という名の思考法の基礎だ。森羅万象について考えるとき、人間は対象を分類、分析、命名する、という方法で推し進めてきた。 それが成功を収め、ヒトという種族が他の追随を許さない程の繁栄を謳歌してきたわけだ。 その「…

自己実現とマズローの欲求段階説

1.【マズローの欲求段階説:授業から学んだ「自己実現」のイメージ】 「自己実現」という言葉を見て、私は学生時代に受けたある授業を鮮烈に思い出した。 100人以上は入る大教室で、その専攻科では、おそらく当時60代のベテランの女性の教授が、マズローの欲…

心理学的決定論

未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 心理学的決定論 (光文社新書) この本も、なごテツの参加者の方から教えてもらいました。本書では「この世は全て事前に確定しており、自分の意志は幻影だ」という仮説が紹介されています。 著者の心理学博士…

『論理哲学論考』を読む会第2回を終えて

3月5日、『論理哲学論考』を読む会の第二回が無事(?)終了しました。本文の1番台で終わってしましましたが、楽しい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございます。 以下、最後の方に時間が足りなくて話しきれなかったことを簡単にまとめました。そ…

2種類の不幸

不幸には2種類の不幸が存在する。相対的不幸と絶対的不幸である。 まず相対的不幸から見ていこう。自分は月給50万の会社員だとする。しかし先輩社員、同僚、後輩をみると皆、月に200万は稼いでいる。同じ仕事をしているのに、何故か自分だけ彼らの1/4の給料…

九十歳らしさって何だろう

TVを見ていたら、一般の人の日常が紹介されていた。その人は九十歳で、多くの趣味を楽しんでいて、毎日体操をし、食べることが好きで健康そうだった。番組の出演者たちは口々に「とても九十歳に見えませんよね」「若々しく見えて良いですね」と言っていた。…

いざ生きめやも

「風立ちぬ、いざ生きめやも」 堀辰雄の『風立ちぬ』の冒頭近くに出てくる詩句です。作者にも作品にも思い入れはありませんが、私はこの一文の音の流れが好きです。 元になったヴァレリーの詩を以下に示します(「いざ生きめやも」に対応する部分)。 Il fau…

湯たんぽと時節因縁

1月に「湯たんぽ」という記事を書いて、その素晴らしさを布教したにも関わらず、うっかりくるぶしに低温火傷を負ってしまいました。油断…。 低温火傷、ナメてました~~~ 弱火だとじっくり中まで火が通るように、ダメージが意外と大きいです。 痛いよぉ(/_;…

「世界はうつくしい」、と

時折ページをめくる本がある。 詩人、長田弘氏の「世界はうつくしいと」という詩集。 ここに引用することができなくてざんねんだけれど、手にとってページをめくると呼吸が整う。ホッとする。 自分の中心に戻る感じがする。 なんでもない日常こそが、価値あ…

パスカルの賭け

「人間は考える葦である」で有名なフランスの哲学者パスカルは、神が存在するかどうかという問題で「存在する」に賭ける方を勧めた上で、 もし勝ったら、きみはすべてをえるのだ。負けても、何もうしないはしない。だから、ためらわず神はあるという方に賭け…

Enjoy Your Life!

自分が死の直前にあって、これまでの人生を振り返るという思考実験をしてみましょう。はたして、自分の人生は、悔いのない、納得のいく、充実した、満足できるものであったでしょうか?もし、そうでなかったならば、何をしておくべきだったのでしょうか?ど…

「絶望の虚妄なるは……」 -- 魯迅の言葉に今思うこと

現代中国文学の父とも言われる魯迅は、『希望』(1925年発表)という作品の中でハンガリーの詩人ペテーフィの詩を引用し、次のように訳しています。 「絶望之為虚妄、正與希望相同」(絶望の虚妄なるはまさに希望と相同じい) 岩波文庫版『野草』(竹内好訳)…

夢は言葉になる(或いは言葉は夢のように)

久しぶりにリアリティのある夢を見た。目が覚めた時、夢の内容を感情とともにまざまざと思い出した。場所はある駅で、登場人物は知人程度という人たち3人。そこで交わされた会話の内容もまだ覚えている。そして何より、“寂しさ”という強烈な感情を覚えたのだ…

難しい問題

「これは難しい問題だ」 なんだか手の動きが違う。風呂場で顔を洗っていたのだが、手の動きが変わっていることに気が付いたのである。 どうしたんだろう。そうか。手が今までよりも上の方まで動いているのだ。額が広くなったからだ。歳を取ったらこうなると…