なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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住む場所を変えると考え方が変わるかも?

私たち夫婦は、先月から「バンワーク」を始めました。「バンを家として生活する」のが「バンライフ」で、「バンを事務所として仕事をする」のが「バンワーク」。私が考えた造語だと思っていたのですが、インターネットで検索したら400件ほどヒットしてガッカリしました。この程度のアイデアは、誰でも思いつくんですね。

 

バンワークを始めた背景には、コロナ禍の影響があります。私が経営する編集プロダクション「マイカ」は2年前から完全リモートワークに移行し、社員はそれぞれ自宅で仕事をしています。おかげさまで、これまで不自由なくリモートワークを続けてきましたが、「そろそろ事務所を用意した方がいいのでは?」という話がでてくるようになりました。

 

とはいえ、新しく事務所を借りたところで、またウイルス感染が広がってリモートワークが要請される状況になるかもしれません。そのためにわざわざ借りるのはどうだろう…?ということで、どうすればいいか悩んでいました。

 

そこで思いついたのが、車を事務所にするというアイデア。車は移動できますから、リモートワークで仕事している社員の近くに移動して会議もできますし、遠方での取材や打ち合わせに事務所ごと伺うこともできます。つまり車を事務所にすれば、日本中を仕事場にすることができます。これって、実はすごいことなのでは?と思いました。

 

バンワークを始めてから1ヶ月が過ぎ、兵庫や千葉、静岡など5県を走破しました。こうしてさまざまな地域を訪れ、その土地の様子や暮らしを目にすると、東京がとても特別な場所であることを実感します。長年、東京で暮らしていると、この生活が日本のスタンダードと勘違いしてしまいますが、決してそんなことはないんですね。数日間地方で過ごしたあとで東京の街を目にすると、まるでサイバー空間に飛び込んだような非現実感に目が眩みます。

 

それもそのはず、こんな狭い土地に日本の約10分の1の人口が集まっているわけですから、高いビルを建てなければとても収まらないし、交通の便をよくしておかなければ生活が成り立たない。そんなこと頭ではわかっていたんですが、実際にその違いを身を持って体験しなければ、本当にわかったことにはならないんですね。

 

ところで、経営コンサルタント大前研一さんは、ご自身の著書のなかで「人間が変わる方法は三つしかない」といいます。その三つとは、以下の通り。

 

  1. 時間配分を変える
  2. 住む場所を変える
  3. 付き合う人を変える

 

反対に「もっとも無意味なのは、決意を新たにすること」だそうで。たしかに、とてもいい本を読んで「なるほど!明日から私もそんなふうに考えるようにしよう!」と思っても、なかなかうまくいきません。人間の意思って、そんなに強くないんですよね。誰だって経験したことだと思いますが。

 

バンワークをしている中で私が強く感じるのは、「住む場所を変えるだけで、私のなかにあった思い込みや常識がどんどん変わっていく」ということ。東京という特殊な地域での生活で培われていった「当たり前」が、実は当たり前でないということを、肌感覚で理解できるようになりました。それによって、ものの捉え方や考え方が変わっていきます。これはとても貴重な経験だとありがたく思っています。

 

来週はまた取材の依頼があり、今度は大阪府にお邪魔します。学生時代を大阪で過ごした私ではありますが、今どうなっているのかはわかりません。実際にその土地に立ち、私がなにを感じるのか、とても楽しみです。そのお話は、また次の機会に。

(真)