2022-08-12 【今月のお題】60年前の私を想う 私は土用の丑の日に生まれた。とても暑い日だったそうだ。 母は結核だったので、うまくいきめなかったという。「自力で(子宮から)這い出したミカはえらい」私の誕生日になると、必ず彼女はそう言って褒めた。 焼けつくような日差しのなか、空を見上げると真っ白な入道雲が太陽に向かって立ち上がっていた。 この世に誕生する日、私もあの入道雲のように、なんの迷いもなく、ただ光を目指したのだろうか。 60年前の自分を羨みながら、日傘を差して足を踏み出す。この一歩が精一杯の勇気である。 (真)