なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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令和44年4月4日

自分でもおかしいと思っている。強迫神経症というやつなのだろうか?
数字が気になって仕方がない。今日も目が醒めて時計を見るとAM4:44だった。
会社休んだほうが良いかな?
でも、「今日は今朝から縁起が悪いんで」と有給を使おうものなら、「馬鹿かお前は。平安貴族でもそんな奴いねーぞ!」と課長に恫喝されるに違いない。
そして、この間ネットで注文していた品物の問い合わせナンバーが、9494444だったのはもっと気になる。出勤途中に看板でも落ちてきて直撃⇒苦しんで死ぬ、のでは?
いや、今まで実害が無かったのだから取り越し苦労というものなんだろう。
だけど、今まで無事だったからって今後も平穏無事だとは言えないだろう。

「おい!鈴木君。最近集中力が全くないぞ。何悩んでるんだ?」課長に叱責された。
これで今週で4回目だ。何とかしてあと1回以上説教されない事には縁起が悪い。
わざと仕事で失敗をしてみると、
「鈴木君。君、メンタルだな。今日は早退して良いから、ここに行ってみないか?」
帝都大学附属病院 メンタルヘルス外来第二心療内科 医師 石田信成』
「この名刺は、以前にもウチの会社でお世話になったこともある、.....というか俺の大学の同級生で、今も懇意にしている石田って奴なんだ。結構ムリ言っても応えてくれる。すぐ近くだから今からでも間に合う」
「でも課長。あと1回叱ってくれない事には..........」
「何かあるんだな、分かったよ。バカヤロー!早く行ってこい!」
「ありがとうございます。では、失礼します。お疲れさまです!」

それから2年後、病院の『対強迫神経症改善プログラム』は功を奏しているとの事だった。
鈴木も、もう4時台の時刻を恐れることは全く無くなっていた。
最終段階の診察で、鈴木は礼を言った。
「石田先生。本当にこの改善プログラムは画期的です。ありがとうございます。もう4時になっても44分のことは全く気にならなくなりました。ただ、あともう1クール、プログラムに参加させてください。そうすれば総受診プログラム回数が5クールになりますから」
石田医師は渋い顔をして言った。
「鈴木さん。あなたには、これから治療として主として薬物療法を受けてもらいます」

中央線で人身事故があったのは、それから間もないことだった。警察の発表では名前は伏せられていたものの、事故に遭ったのは43歳の男性。誕生日を明日に控えた会社員だったという事である。

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