久しぶりに体調を崩した。風邪薬を飲んで一晩寝れば、次の日は何とかなるという健康状態で数年暮らしていた。それが、数日布団から出るのが大変な状態になり、病気はつらいものであると思い知った。これはコロナだと直感したが、外れていたのは幸い。発熱外来を探し、検査結果が出るまでは外出もできず、ある種のコロナの時代を体感した。
ぼちぼちと体調が戻ってきて、ゆっくりと普通の生活に戻していく。歳のせいか戻っていくスピードが前よりも遅い感じがする。それでも、終日の仕事をこれまで通り行えるようになった。
そんな経験から2週間ぐらい経ってから、起き掛けの水を飲んだ。毎日のことで、蛇口から出した水を惰性で口にしたのである。
「おいしい」
水がこんなにもおいしかったのだ。久しぶりに思い出した感覚だった。そうか、私が日々の生活を送っている時も、体は一生懸命に元の体調に戻すように働いていたんだな。
おいしい水を飲みながら、自分の体に感謝する朝を過ごしている。
(寺)