なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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「本屋で年越し2023 ~なんで大晦日にそんな話を~」で年を越した話

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「みなさん、インドの地図を思い浮かべてください。大きな逆三角形を描いていませんか?  インドには、右上の角のところから首の皮一枚のような細い土地で繋がっている、セブンシスターズと呼ばれるいくつかの州が存在し、そこにはインド人でも簡単には入れないのです」

2023年も残り2時間を切った大晦日の夜、私はこんなトークに耳を傾けていました。下北沢のB&Bという書店が主催する「本屋で年越し2023」というイベント(対面/オンライン併用)の一場面です。このイベントのトークテーマは、

2024年の銭湯はどうなる?
インド人も行かない北東インドの文化
年末にチョコレートの深遠さに迫る
激論!恋人に手書きのお手紙、渡す?渡さない?
etc.

といったラインナップで、まさに「なんで大晦日にそんな話を」という雰囲気でした。中でも冒頭に紹介した北東インドの話がとても面白く、現地の書店で平積みされていた登壇者の著書『アジア発酵紀行』はあっという間に完売したそうです。私もKindleで購入しようかどうか迷っています。Amazonの私の購入履歴からはまずレコメンドされない本でしょう。こういう出会いがあるからイベントは楽しいと思います。

イベントの最後(年越し)はさすがに書店に関する話題にしようということで、近年増えているシェア型書店について、実際に運営されている方が対談されていました。シェア型書店とは、リアル店舗の棚を月額で貸し出し、棚のオーナーがそれぞれ自分の売りたい本を並べて販売するという形式で、私が住んでいる地方都市でも最近見かけるようになりました。書店としては棚のレンタル料という形で毎月一定の収入が得られ、棚を借りる側は店を構えなくても気軽に始められる、双方メリットがあると思われますが、棚貸しにすると各棚のキュレーション能力にバラつきが出て、必ずしも書店全体としての活性化に繋がらないといった問題点もあるそうです。地方のリアル書店がどんどん閉店し、書店が存在しない自治体が増える中、存続に向けて様々な方法が模索されている現状に対し、考えさせられるものがありました。

さて、サブタイトルに戻って「なんで大晦日にそんな話を」について。「なんで~にそんな~を」ができるのは、戦争が無く、ある程度言論の自由がある国だからこそという現実に感謝しつつ、哲学カフェでも、「なんで哲学対話でそんな話を」と言いたくなるようなテーマで、思わぬ切り口から掘り続けてみるのも面白いのではと思いました。

ということで、今年もよろしくお願いいたします。

(福)