昭和の名作漫画「じゃりん子チエ」の中に、チエちゃんのおばあちゃん菊さんのこんな名セリフがある。
「ひもじい、寒い、もお死にたい。不幸はこの順番で来ますのや」
当時中学生だった私はつくづく感心した。
ということは、ひもじさと寒ささえ避ければ不幸は来ないのである。
さらに言えば、この二つが満たされていればずっと幸福でいられる。
真冬の夜、ぬくぬくの布団にもぐりこむといつも思う。
ああ、今日もご飯が食べられて、温かい布団に眠れる。幸せだなぁ。
だって私はひもじくも寒くもないのだから。
そんな私は数年前から陶器製の大きな湯たんぽ(2.2Lサイズ)を愛用している。
お風呂の後、残り湯をヤカンに入れて沸かす。
それを湯たんぽに注ぎ布団に入れれば、朝までぬくぬく。
しかもその至福は翌日のお昼頃まで続く。
日中は机の下に置いて足を乗せ毛布で包めば電気いらずゴタツ。
頑丈な陶器の湯たんぽは、穏やかな温かさが長く続く頼もしい存在である。
布団の中や足元で使われるだけの地味で目立たない存在だけれど。
人々の幸福をゆるぎなく支えてくれているのだ。
ビバ、湯たんぽ。人間でも、こういう人って好きだなぁ(ikue)