なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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曇り空と暮らす

日本海側に住むということは、曇り空と暮らすことを意味する。冬場はほぼ洗濯物を外に干すことはないし、突然の雨に備えるために、晴れた日も天気予報の確認を怠らない。

初めて冬に太平洋側を訪れた時、マンションのベランダにずらりと並らぶ布団に衝撃を受けた。以来、日本海側住民にとって天候は大きなハンデに他ならない、と思い続けてきた。

最近の哲学カフェでたまに感じることがある。話題が「善VS悪」、「聖VS俗」といったニ極的な内容になった際に、両方が混じった状態は居心地が悪い、あるいは基本的に前者に軍配を上げるほうが安心、という方達が一定数おられるらしい、ということだ。

こういう場面で、私はいつも「人の中には悪も俗もあって、そのうえで、どんなレベルでそれを働かせるかはその人次第」と考えてしまう。この感覚を不安にならずに受け入れているのは、もしや自分が普段、曇り空とともに暮らしているからなのではないか、とふと思った。

日本海側の冬は一日中同じ天気という日が少なく、雨雪の中にも日が差したりと、目まぐるしく変わる。こんな土地では、一極を信じても次の瞬間には逆を見る(傘忘れた!レベルだが)ということを、日に何度も体験することになる。

曇り空と暮らすといういうことは、あらゆる変化を丸ごと受け入れ続ける(ことに慣らされる)ということかもしれない。

前述の哲学カフェのエピソードに出てきた方々が、太平洋側在住率が高いのかどうかは、残念ながら確認できてはいない。ただ、その違いのおかげで、これまで生活上のハンデくらいにしか捉えていなかった曇り空が、自分の思考判断に影響を与えているのでは、と考えるきっかけになった。私はようやく、この土地と暮らすことに向き合い始めたのかもしれない。

(MK)