なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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たん読

※この画像は、本文の内容を基に、ChatGPTのDALL・E3というプラグインを使って生成しました

ここ数か月「たん読」という読書会に参加していました。「耽読」ではなく、『哲学探究』の読書会です。
毎週土曜日の夜、数人でひっそりと少しずつ『探求』を読み進め、先日無事完走することができました。主催が研究者の方だったこともあり、鋭い分析を示してくださったり、皆で解釈を持ち寄ったり、訳文や注釈に疑念を呈したりと、充実した時間を過ごさせていただきました。

オンライン会議が普及して以来、若手研究者を中心に、一般向けの講座や読書会がさまざまな形で開催されるようになりました。価格設定、後日配信の有無、質問の受け方、参加者相互のコミュニケーションなど、様々な試みがなされていて、私のような素人でも気軽に楽しめるようになったのはとてもありがたいことです。企業の研修や学校現場に哲学を取り入れる試みも面白いと思いますが、そのように明確な目的や効果を意識せず、広く人々が哲学のテキストを楽しむ場が増え、研究者が自分の研究を伝える場が増えていくといいと思います。

今回読んでいた『哲学探究』というのはどういう本なのかざっくり言うと、言葉を言語ゲームとして捉える (命名モデルからの解放)、「意味する」ことは心的活動とは異なる、言語の意味はふるまい(使用あるいはそこに至る物語)によって決まる、規則は行動を規定しない、などというようなことがトリッキーな喩えと美しい文章で綴られた著作です。

言語ゲームって何?と思われた方は以下の動画をご覧ください。


www.youtube.com

念のため書いておきますが、なごテツのメンバーでもあるこの動画の作成者に紹介するようお願いされたわけではありません。面白かったので勝手に紹介させていただきました。『ウィトゲンシュタインパラドックス』(クリプキ著、黒崎宏訳) の巻末解説で、訳者がヒュームの論を引いて、ウィトゲンシュタインは「必然的結合」を疑って「恒常的連接」を持ってきた、と述べていました。私がここでこの動画を紹介した行為に必然的結合はありませんが、恒常的連接はあるのでしょうか..?

(福)