MKさんが「共感と身体性」という記事で「合奏や合唱、セッションのように共同演奏中の奏者には、聴き合おうという意識が働くはずだ」と書かれていたので、先日見たアニメ映画をご紹介します。ずっと気になっていた『BLUE GIANT』という作品です。
私はもともと音楽が好きで、学生時代はロックバンドを組んで演奏していました。ここ数年はジャズもよく聴いています。この映画の音楽を担当する上原ひろみさんは大好きなピアニストだったので、ぜひ見て(聴いて)みたいと思っていました。
実際にピアノを担当したのは上原ひろみさんで、サックスは馬場智章さん、ドラムは石若駿さん。このメンバーの演奏が聴けるという意味でも、この映画はスペシャルです。
この映画にはちゃんとストーリーがあり、感極まって涙ぐむようなシーンも多数あります。しかし私は、なにより音楽でした。
MKさんの記事には「音楽の生まれる現場には、最も共感的な空間が湧き上がっている」と書かれていましたが、もし共感が「相手にあわせる」という意味であれば、彼らにそんな気はありません。ただ一途に自分の音を追求していくだけです。
しかし独りよがりではなく、他メンバーの音を聴き、受けた刺激に反応しながらさらに自分を拡大する中で、最終的にはこれまで見たことのない高みまで昇っていく。1人ではそこにたどり着けず、条件としてこの3人でなければならなかったという意味で、私はこれを「共感的な空間」と呼びたいと思います。
YouTubeに演奏シーンが公開されていたので、以下に引用します。ですが、できれば本編の最後に演奏された「FIRST NOTE」を見ていただきたい。音が映像になるというのはこういうことだったのかと驚かれるはずです。
「BLUE GIANT」を見てみたい方は、NetflixかAmazonプライムでご覧ください。
(真)