なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

● なごテツからのお知らせ ● ←ここをクリック!


名誉な「名誉」と不名誉な「名誉」(@Real Café)

 相手の価値観を自分の価値観に合わせるには、どの様な方法があるだろうか。
 ひとつには力ずくで無理矢理、脅迫して実行するやり方。
 しかし、もっと具合よく相手の方が本当にこちらのほうの価値観を素晴らしいものだと認め採用してくれるという方法がある。それはどんな方法だろうか。こちらの価値観に合わせることが相手にとって「名誉」な事だと思わせてしまうという方法である。
 かつて南アフリカ共和国では、日本人は名誉白人と呼ばれていた。人間の中で白人が最も偉い高級な人種で、日本人のような黄色人種はそれに劣る存在である。そんな価値観を日本人が嬉々として認め、当たり前だと思うようにするには何か勲章を贈らなければならない。それが「名誉白人」という称号に他ならない。
 その称号を受け取ることは、日本人の価値観を南アフリカの価値観に合わせることである。何の疑問も持たずに「日本人は劣った黄色人種だけれど、経済で成功したから白人に値するのだ」と無意識に思い込めば、南ア白人による日本人の精神的支配は完成されるのだ。
 これが「名誉」の意味なのである。他人を内面から操ってしまう手段、それが「名誉」を授けるということ。勲章をもらうということに何か嫌悪感をもつ人がいるのは、実はそういうことへの嫌悪である。
 いっぽう人間は権威に弱いのも事実である。勲章をもらった人は「偉い」人なんだと、僕らは心の奥で思ってしまうもの。「無冠の帝王」という言葉がある。称号は持っていないけれど実力は充分あるんだ、という意味だ。ということは逆に称号を持ち合わせている人は実力者だという思いが、僕らにはある。「名誉」とはそんなものだ。
 ただ、そんな不名誉な名誉ばかりが名誉の全てだとも思わない。誰からも勲章を貰ったわけではないが、名誉な人というのはあり得るだろう。言い換えると、すべての人から称号を受け取ったような人が。

(i3)