なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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ふつうな子供と大人のふつうの会話

次の仮想会話は、子供の頃の自分と、大人である現在の自分との会話である。

大人「人間は生まれてくるべきではない、というのが君の主張なんだよね」
子供「そうだよ。そしてこの世に生まれてきたのは、僕の責任じゃない。まったく迷惑な話だよ。僕は被害者だ。望んで生まれたわけじゃない」
大人「そんなに何を苦しんでるの?生きてればなんとかなるもんだよ」
子供「人類が誰も子供を生まなければ、僕のように苦しむ人間はいなくなるのに」
大人「生きることは悪なの?」
子供「そうだよ。生きるから嫌なことが顔を出す」
大人「じゃあどうして君は生きてるの?生きるのは悪なんだろ?」
子供「生まれてきてしまったら、出生は悪というのは適用されない」
大人「どうして?」
子供「生きているから嫌なことがあるんだよ。だから出生は悪なんだ」
大人「だからどうして君はここにいるの?」
子供「少しの苦痛でも無いほうがいいんだよ。わかる?自死しようとするのは大きな苦痛だ。苦痛を避けたいから生まれて来たくはなかった人に、どうしてそんな大きな苦痛を強制できるの?」
大人「あらゆる苦痛は避けるのが理想ということ?だから自死もしないってこと?」
子供「やっと分かってくれたね」
大人「君自身の苦痛は避けたいってのはよくわかった。だけど君以外の人類全部が生まれてくるべきではなかった、そして誰一人産むべきではないってのはどうして?」
子供「だって僕一人だけが生まれて来ないのって寂しいもん」
大人「君が寂しさを感じるくらいなら、人類全部が死滅するべきだってこと?」
子供「僕だって、皆みたいに楽しそうにしたいんだもん……本当は」
大人「だから、人類全体が君のわがままに奉仕しなっきゃならないの?」
子供「だって皆楽しそうなんだもん」
大人「君が思ってる程に皆楽しいもんじゃないよ。本当は」
子供「うそだ!じゃあどうして皆死のうとしないの?死にたいって言わないの?」
大人「人に弱さは見せたくないんだよ。そんなことしても人に利用されるだけだし」
子供「どういう意味?」
大人「それが分かるまでは生きていようよ」
子供「分かったからってそれが何になるの?」
大人「それも分かるようになるまでは生きていよう!」
子供「無駄かも知れないじゃん!」
大人「君は損得で生きる主義かい?」
子供「疲れるの嫌なの!僕は弱いんだから!」
大人「それを認めれば、皆君の為に死ななきゃならないの?」
子供「じゃあ皆の為に僕一人が死ねばいいの?」
大人「それが分かるまで生きていよう」
子供「何にも知らなくていい!僕は悲しくて仕方がないんだ!」
大人「何がそんなに悲しいの?」
子供「楽しく生きられないことだよ。たぶん」
大人「楽しく生きる必要はないんだよ」
子供「じゃあ悲しいまんまでも生きられる?生きていいの?」
大人「当たり前だ。そうして子供は大人になっていく」
子供「大人になるのが、そんなに偉いの?」
大人「それまで死ななかったんだから、たぶんね」
子供「疲れた。もういいよ……もしかしたら僕は楽しくて仕方がないんだ。だから悲しみに憧れている」
大人「それが分かれば僕はひとまず安心だ」
子供「ありがとう」
大人「僕に?」
子供「僕に優しくしてくれた大人の人皆に」

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