なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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『人魚姫』を見て

小学一年生の時に見た、東映まんがまつりの『人魚姫』を再見しました。
絵がかわいくてキュン。(「東映まんがまつり 人魚姫」で検索すると絵が見えます)
当時の塗り絵のお姫様って、みんなこんな顔でしたね~。懐かしの70年代画風。
今回の発見は、魔女が薬を渡すにあたって、とても丁寧にリスクを説明し尽くしていたこと。意外にフェアな御方。

お話はみなさまご存知のように、王子様への人魚姫の想いがむくわれず、悲劇的なラスト。
一度は姉姫たちの必死の願いから、王子様を刺し殺して人魚に戻ろうとする人魚姫ですが、そんなことはやっぱりできなくて、海の泡になってしまいます。
「愛されることには失敗したけど、愛することならできるかもしれない。七色の泡となってあなたのそばで…」
映画には、そんな感じの人魚姫のセリフがありました。なんてせつない…。
(と言いつつ、私も人魚姫のような選択をするとは言い切れませんが…)

ちなみに、
これを見る前に、とある場で『野菊の墓』という昔の小説のことが話題になっていたのですが(高齢のお父様は大好きなんだけど、娘にはその良さがわからず…と)、ふたつの話に共通点があることに気づきました。
どちらのお話も幼い初恋を扱っていて、どちらも恋は成就せず、女の子の方が相手を想ったまま死んでしまう…。そして男の子の方は別の相手と結婚しちゃう。作者はどちらも男性。

フェミニズムが発動しそうな…。

でも、
初恋が特別な思い出になりやすいことも、自分を好いてくれる人からは、ずっと想われ続けたいと感じることも、純愛という現実ではあまり見当たらないものに憧れをもつのも、男女共通ではないでしょうか。(「自分はちがう」という人がいてもそれも男女共通)。

だからと言って、たとえば男の子の人魚が人間のお姫様に恋をして、人間になったけど下僕にしかしてもらえなくて一生下働きとか…(なんかちがうな)そんなお話だとしても、同じように面白いか?というと、広く一般に認められる感動的なドラマとしては成立しないような気がします(ごく一部にはウケても)。
男はこうあるべき、女はこうあるべき、という固定観念・共通認識を元にした世界の中でしか、『人魚姫』も『野菊の墓』も生きられない。名作として成立しない気がするのです。
そう思うと、価値観が多様化した世界では、誰もが認める『名作』というのは生まれにくいのかもしれません。

そして今でも人魚姫にホロリとする私の中には、まだ古い観念にとらわれている部分があるのでしょうね…。
まぁ、そんなこと言っても、ぷすっと刺しちゃう可能性なきにしもあらずですけど。
(*´з`)ぷふふ

(ikue)