コロナ禍が生活に影響する程度は人それぞれ違うと思いますが、私の場合、かなり厳しい制限をかけていました。替えがききにくい仕事をしている関係で、コロナに罹患する可能性をできる限り小さくする必要があったのです。
そのため、2020年以降、仕事や生活で本当に必要なこと以外、人と対面せずに過ごしてきました。しかし遂にそんな日々が終わりを迎え、3年ぶりに遠方に住む家族と会うことになりました。
実際に会うまでは、「これが一つの節目となり、コロナ禍を乗り切ったという達成感に近い感情が生まれるのではないか」と想像していました。久しぶりに会った日は、一緒に古いアルバムを見たり、毎日どうやって生活していたのかなど他愛の無い話をしたりして過ごしました。
家族を駅まで送った帰り道、心の中に暖かいものがありました。大切な人と直接会うことによって生まれた喜びが、まだ余韻として残っていたのです。それは心地よく、改めて人と人とのつながりの大切さを実感しました。
普段から仕事や生活の目標を達成することに意識を集中して過ごしていますが、心の中には別の思いがあると気づいた体験でした。
(寺)