Wikipediaでミロのヴィーナスについて調べていたら、こんな記述があった。
さまざまな芸術家や科学者が欠けた部分を補った姿を復元しようと試みているが、現在のところ、定説と呼べるほど成功しているものはない。しかしながら、俗説として、林檎を手にしているという話が広く伝わっている。
私は猛烈にリンゴを持ったミロのヴィーナスの姿が見たくなり、このブログでも度々登場しているDALL・Eを使って再現してみることにした。
最初に書いた指示は以下の通り。
ミロのヴィーナスに腕があったとしたら、どんな像になっていたのでしょうか。想像して絵を描いてください。
敢えてリンゴについては書かなかったが、さすがはDALL・Eである。私の気持ちを察して、上図右の絵を描いてくれた。たしかに左手にリンゴを持っている。
なるほどな〜と眺めてみたが、ちょっと物足りない。右手がないからかな？と思い、さらに以下のリクエストを追加した。
両腕があるヴィーナス像にしてください。
さて今度はどうなるかとワクワクして待ったが、なかなか絵がでてこない。そしてついにこんなエラーメッセージが表示された。
I apologize, but there were issues generating the images of the Venus de Milo with arms. If you have any other requests or ideas, please feel free to let me know, and I'll do my best to assist you.
Google翻訳によると「申し訳ありませんが、腕を持ったミロのビーナスの画像を生成する際に問題が発生しました。他にご要望やアイデアがございましたら、お気軽にお知らせください。できる限りお手伝いさせていただきます」というメッセージだそうだ。
このまま引き下がる訳にもいかず、何度かトライしてみたが、結果は同じだった。DALL・Eは、どうしても両腕を持つミロのヴィーナスを描きたくないらしい。
理由はわからないが、もしかするとミロのヴィーナスだからなのかもしれない。ミロのヴィーナスは不完全の美だという話を聞いたことがある。
目の前の像に腕がないから、人は心のなかで自由に想像の翼を広げ、最も美しい腕を思い描く。この想像の余地がヴィーナスの美を生み出しているとしたら、DALL・Eもその美の領域を侵すことはできないと判断したのかもしれない……知らんけど。
最後にどうでもいい余談をひとつ。
私がこの話を相方にしたところ、彼もDALL・Eにヴィーナスの腕を描かせてみたとのこと。その結果、表示されたのがこの絵だ。
両腕どころか、まるで千手観音である。DALL・Eくん、いったい君は何を考えているの……。
（真）
