先日読んでいた本に「一生の内に、図書館にある本の1%も読めない」と書いてあった。図書館を見て回るのは楽しい。「この辺りの本は、私は絶対に読まないだろう」という書架が続いているところもある。大型の本屋でも私が読まない本が展示されているところはたくさんあるのに、図書館のそれは、また違う迫力がある。世に知らしめるべきことがあると考えた人がいて、本という形にすることを支援する人がいて、公開された。しかし、ほとんど誰にも読まれることもなく埋もれていく本も多いのであろう。
知識は膨大にあり、情報はうなぎ上りに増えている。その中にあって私は、今、知るべきことを少しずつでも知っているのであろうか。役に立つことを求めて、拾い読みをすることが多くなったと自覚する身としては、心が落ち着かない。ひょっとすると知らないでもいいことばかりを学んでいるかもしれない。何を知るべきかを知るのが第一歩なのであろうか。
まずは、知識に振り回される気持ちを無くすのが初手のような気もする。
(寺)