なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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論理哲学論考を読む手がかり(か?)

25日、なごテツの雑談タイムで哲学者ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』(以下論考と略します)の初心者向け読書会が行われる予定です。そこで、わかりやすい解説書なども読んでみた上で、「入門の入門の門前の小僧」的な素人なりの「手がかり」を、自分用の備忘録としていくつかあげてみます。

 

手がかり1

この本の理解の鍵になるかもしれないとした上で、ウィトゲンシュタインは出版社に次のような手紙を送っています。

この本の意義は倫理的なものです。私は一度、ある文章を序文に加えようとしました。結局、やめてしまいましたが。(中略)私の仕事は二つの部分からなる、そこに書かれていることと、書かれなかったすべてと、というようにです。そして重要なのは、実はこの後者の方なのです。

というのは、私の本は、倫理的なことがらをいわば内側から限界づけており、そして私の確信するところでは、倫理的なことがらとは、ただそのようにしてのみ限界づけられうるものだからです。

※『 ウィトゲンシュタイン入門』( 永井 均著) より引用 

 

手がかり2

「語り得ぬものについては、沈黙しなくてはならない。」という名言が有名です。

論考は、言語がどのように世界を写しとっているかを詳細に注意深く見ていくことで、どこまでが言語の守備範囲、語り得る範囲なのかを明らかにしていく本だと思いました。ウィトゲンシュタインは、その守備範囲を外れてしまった言葉は何も写せていないため、ナンセンスになると述べています。

そして、この守備範囲をはっきりさせることで、ナンセンスにまどわされない様にすることが哲学の役割だと言うのです。その結果、哲学の問題は解決されるのではなく、解消されるのだそうです。

 

手がかり3

論考では、冒頭から「事態」「事実」「命題」などの独特の用語がいきなり説明もなく出てくるので、戸惑ってしまいます。そこでざっくりと、用語の関係を図解にしてみました。こんな感じでしょうか? 読書会でいろいろな方の論考の解釈が聞けるのが楽しみです。

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関連動画に解説があります。

 

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