未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 心理学的決定論 (光文社新書)
この本も、なごテツの参加者の方から教えてもらいました。本書では「この世は全て事前に確定しており、自分の意志は幻影だ」という仮説が紹介されています。
著者の心理学博士でもある妹尾武治さんによれば、本書はいわゆる"トンデモ系"だそうです。サブカル大好きおじさんが個人的思想を書きたいように書いた本、科学本ではなく、読み物・フィクション・俗人の戯言として気楽に読み飛ばしてほしいとのことでした。
そんな本書では、自由意志の問題をめぐって、心理学・生理学・脳科学・仏教・哲学・アート・文学・AI研究に加えて多くのサブカルチャーの取り組みも検討されています。個人的には、世界の本質は「情報」であるという著者の主張に共感しました。
「意識とは情報であり、生命とはその情報を増やすために配置された「なにがしか」(存在)である」という本書の結論を考え合わせると、哲学カフェで情報のやりとりを楽しむのも(迷惑をかえりみず戯言を繰り返すのも!?)、生命の大切な使命かもしれません。
(草)