なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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読者に媚びることは読者を裏切ること --諌山創の言葉より --

先日の雑談タイムで話題に上った『進撃の巨人』、ストーリー展開の面白さやキャラの魅力もさることながら、反出生主義やレイシズム、壁の内と外、戦うことの意味など、様々なテーマについて考えさせられる作品です。

この作品、読者(視聴者)に対してあまり親切ではありません。メッセージがストレートではなく、因果関係もわかりやすいとは言えません。また、通常アニメ化された作品は特定のキャラの人気が出るとそのキャラの活躍シーンが増えるものですが、そういう配慮も少なめです。このような方向性について、作者の諌山創は以下のように語っています。

読者に媚びることは、読者を裏切ることと等しい

商業漫画である以上、読者を喜ばせることは大事です。しかし、本当の読者サービスというのは、今読者が喜んでいるものを常に超えていくことではないでしょうか。誰にでもできることではありませんが。

また、作者は他のインタビューでこうも語っています。

『人を殺してはないけない』ということを伝えたかったら、『人を殺してはいけない』と伝えても意味ないかもしれない。だって、『人を殺してはいけない』なんて、人類が70億人いたとしたら70億人全員が知っていることなんだから。(中略)だったら、『人なんて殺してもいいでしょ』という言葉のほうが、それを聞いた人が『何言ってんだよ、人を殺すなんでダメでしょ』と思う可能性があるから、結果だけ見るならその言葉のほうが意味があるかもしれない。

とは言え単純なアンチテーゼではないので、読者が一方向に誘導されないところがこの作品の面白さかもしれません。

わかりやすく伝えることは大切ですが、それによって零れ落ちていくものがあるとしたら、勿体ないと思います。

アニメの方はFinal Season Part2が終了し、完結編は2023年ということです。
今クールは気分を変えてSPYxFamilyとキングダムでも見ようかと。我ながら月並みなチョイスですが。

(福)