なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

● なごテツからのお知らせ ● ←ここをクリック!


ちょっと立ち止まろう

年が明けてもう二か月が過ぎてしまった。
「早いねぇ」
「今年もあっと言う間だね」
そんな会話が挨拶みたいに交わされる。

世の中にはいろんな人がいるが、ほとんどの人は同じようなことを毎日繰り返している。
るーてぃん、るーてぃん、るるるーてぃーん。
歌にできそうなくらい。
そして冒頭の、「早いねぇ」という言葉が生まれる。
まいにち、はやいね、あっというまだね。
だから、ちょっと立ち止まろう、と思う。

私の大好きな小説『たんぽぽのお酒』(レイ・ブラッドベリ著)に、主人公の親友が翌日には遠くに引っ越してしまうお話がある。主人公ダグラスは日が暮れそうになると、親友に「動いちゃだめだ!」と言う。動き回って遊んでいたら時間が早く進んでしまうから…。じっとしていれば時間はゆっくりとしか進まない。別れの時を先延ばしにできる…。

もちろん、じっとしていても時間は無情に進む。日は暮れて、親友と別れなければならない。
でも、ダグラスの感覚は間違っていない。
親友から僕の目の色を当ててみろと言われ、知らなかったことに愕然とし、目の前のことに気づかないまま、大切な時間を過ごしてしまったことを彼は後悔する。
だからこそ「時間よ止まれ!」と願う。
とはいえ、この先の人生でも彼は同じような後悔を何度もするだろう。
私と同じように。

でも、ふと気づいた時、ちょっと立ち止まることはできる。
ルーティンな日常の中に、見落としていることはないだろうか…と。
昨日なにもなかった地面に、ちいさな緑色の芽を見つけるだけでも、この世界が決して私を裏切らないことを確信できる。

そしてまた新たな目、新たな気持ちで、るーてぃんの歌を歌い出す。

(ikue)