なごテツ世話人&ファンのつぶやき

「なごテツ」の世話人およびファン倶楽部のメンバーによる個人的なつぶやきブログ。なお、ここに書かれているのはあくまでも個人の意見で、「なごテツ」の意見ではありません。

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【今月のお題】夏の午後をやり過ごす

名古屋の夏は暑い。
天気予報で「今日も三十五度を超える猛暑日」などと聞かされようものなら、
「ああ~、今日はどうやってやり過ごそう…」と思う。
でもよく考えると、これは随分と消極的な思考だ。
真夏の午後の時間を、人生の午後に置き換えて、正午が三十歳くらい、夕暮れを還暦としたら、まるまる三十年を、ただ「なんとかやり過ごそう」というようなものだ。
もっと「なにかをしなくてはいけない」のでは…。

そんな心の(頭の?)声に耳を傾け、人生の午後を充実したものにするために何をしようかと私は目を閉じる。
……気づくと小一時間経っている。つい寝てしまった。昼寝には独特の快感がある。
目を覚ますために冷凍庫からアイスクリームを出す。夏の午後のおたのしみ。遠くにセミの声を聞きながらひんやりを楽しむ。近所の子どもがプールで水遊びをする声も聞こえる。ぼうっとしているうちに三時くらいになっている。西日から逃れるために東側の部屋に行く。本を読もうと思って開く。風がカーテンを揺らす。それをまたぼうっと見てしまう。ページをめくろうとして、ふと爪が伸びているのに気づいて切ったりする。この爪は私が食べたなにからできたんだろう、などと思う。卵なのか魚なのか、あるいはご飯?
ご飯、と思って時計を見ると四時半。そろそろ夕食の支度をする時間になっている。

気付けば午後を「なんとかやり過ごして」いた。
冷蔵庫からきゅうりを出しながら、人生もこんな感じで過ぎていくのかな、と思う。
午後四時半。自分の人生の時間と重なる。
今日の午後はどうだっただろうか。
充実していたか?と問われれば、そうとは言えない。でも、決してわるくはない平和な午後だった。
まぁいいかー、と思う。
ゆるゆると川下りをしたようなものだ。なにも得ていないけど失ってもいない。
人生もこんな風なら上等だ。
きゅうりは薄切りにして酢の物にする。

(ikue)